暖簾師（読み）ノレンシ

デジタル大辞泉

のれん‐し【^▽暖^×簾師】

悪い品をごまかして売りつける商人。のうれんし。
「―めいたるあきない、せさせぬが定なり」〈鴎外・うたかたの記〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

のれん‐し【暖簾師】

〘名〙 まやかし物の呉服や小間物などを売りつけるずるい商人。やし。〔随筆・守貞漫稿（1837‐53）〕

出典　精選版 日本国語大辞典

世界大百科事典（旧版）内の暖簾師の言及

【詐欺】より

…また上記の刑罰は情状によって減軽または加重されたが，そのような刑罰適用論においてはとくに判例法が発達していた。江戸時代には，商取引の隆盛や複雑な身分制度を背景に，交通，通信，教育等の未発達ないし地域的偏差を利用した詐欺が多数発生し，江戸で〈暖簾（のれん）師〉，上方で〈中差（なかざし）商人〉などと呼ばれる詐欺師的商人も横行した。文芸作品にも，北条団水(1663‐1711)の《昼夜用心記》(1707)など〈かたり〉を題材としたものがしばしば見られ，世相の一端をうかがうことができる。…

※「暖簾師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」