暴力論(読み)ぼうりょくろん(英語表記)Réflexions sur la violence

百科事典マイペディア 「暴力論」の意味・わかりやすい解説

暴力論【ぼうりょくろん】

フランスの社会思想家G.ソレル著書原題では《暴力に関する考察》。雑誌論文をまとめて1908年に単行本として発表。政党制議会主義を否定して,組合サンディカ)の役割を高く評価し,組合のゼネストなかに暴力の倫理性が含まれていると説く。→サンディカリスム
→関連項目暴力

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「暴力論」の意味・わかりやすい解説

暴力論
ぼうりょくろん
Réflexions sur la violence

フランスの社会思想家 G.ソレルの著作。サンディカリズム聖典とされている。 1908年刊。彼は K.マルクス,P.プルードン,F.ニーチェ,H.ベルグソンなどの影響のもとに革命的労働組合運動を主張し,プロレタリア革命武器としてゼネストを高く評価した。なお本書の神話論は大衆本能感情の利用が政治行動にとって緊要であることを説いたものであって,後年ファシズム運動に大きな影響を与えた。

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