暹羅船(読み)シャムロぶね

精選版 日本国語大辞典 「暹羅船」の意味・読み・例文・類語

シャムロ‐ぶね【暹羅船】

〘名〙 安土桃山時代より江戸時代にかけて来航したシャムタイ)仕立ての貿易船。鎖国以後長崎に来航する唐船の中では最も大型で、中国式ジャンクに西洋型帆船の利点を採用しており、日本の朱印貿易船ミスツイス造りの原型となったもの。〔和漢船用集(1766)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の暹羅船の言及

【和船】より

… しかし,〈和船〉とはきわめて漠然とした用語で,いつごろから用いられるようになったのかも明確ではない。現存史料による限り,〈百済船(くだらぶね)〉〈唐船(からふね)〉〈宋船〉〈暹羅船(シヤムせん)〉〈南蛮船〉などの対語としての〈倭船〉ないし〈和船〉なる文字は,少なくとも幕末前には見当たらない。では,日本の船のことは何と記しているかというと,〈遣唐使船〉〈遣明船〉〈朱印船〉〈安宅船(あたけぶね)〉,〈関船(せきぶね)〉(のち船型呼称となる),〈御座船〉〈荷船〉〈樽廻船〉〈くらわんか舟〉など用途による名称,〈茶屋船〉〈末吉船〉〈末次船〉〈荒木船〉など所有者名を冠するもの,〈伊勢船〉〈北国船(ほつこくぶね)〉〈北前船(きたまえぶね)〉〈高瀬舟〉など,地名を冠してはいるが実は船型を表すもの,〈二形船(ふたなりぶね)〉,〈ベザイ船〉(弁財船とも書かれる),〈菱垣廻船〉〈早船(小型のものは小早(こばや))〉など船型や艤装(ぎそう)を指す呼称,〈千石船〉(ベザイ船の俗称),〈三十石船〉など本来船の大きさ(積石数(つみこくすう)。…

※「暹羅船」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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