精選版 日本国語大辞典 「曙」の意味・読み・例文・類語
あけ‐ぼの【曙】
[1] 〘名〙
① 夜がほのぼのと明けはじめる頃。暁の終わり頃で、朝ぼらけに先立つ時間をさすという。あけぼのけ。
※蜻蛉(974頃)中「あけぼのをみれば、霧か雲かとみゆる物たちわたりて、あはれに心すごし」
※枕(10C終)一「春はあけぼの。やうやうしろくなり行く、山ぎは少しあかりて」
② 新しい時代や新しい芸術運動などが始まること。
※落紅(1899)〈内田魯庵〉五「正に二十世紀の曙(アケボノ)白まんとする今日」
③ 「あけぼのぞめ(曙染)」の略。
[2] 江戸下谷の大音寺前(東京都台東区)にあった料理茶屋。
※洒落本・志羅川夜船(1789)西岸世界「こりゃア大をん寺めへのあけぼのからくる客だらう」
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