(読み)あけぼの

精選版 日本国語大辞典 「曙」の意味・読み・例文・類語

あけ‐ぼの【曙】

[1] 〘名〙
① 夜がほのぼのと明けはじめる頃。暁の終わり頃で、朝ぼらけに先立つ時間をさすという。あけぼのけ。
書紀(720)仁徳即位前(前田本訓)「夜半(よなか)に発(た)ちて行く。会明(アケホノ)菟道に詣(いた)て」
蜻蛉(974頃)中「あけぼのをみれば、霧か雲かとみゆる物たちわたりて、あはれに心すごし」
※枕(10C終)一「春はあけぼの。やうやうしろくなり行く、山ぎは少しあかりて」
② 新しい時代や新しい芸術運動などが始まること。
※落紅(1899)〈内田魯庵〉五「正に二十世紀の曙(アケボノ)白まんとする今日」
随筆守貞漫稿(1837‐53)一七「朧、曙ともに裾白に染るを云なれども」
[2] 江戸下谷の大音寺前(東京都台東区)にあった料理茶屋。
※洒落本・志羅川夜船(1789)西岸世界「こりゃア大をん寺めへのあけぼのからくる客だらう」
[語誌](一)①の挙例、「日本書紀」の訓に「会明(アケホノ)」とあるが、仮名散文では「蜻蛉日記」の用例が最も古く、和歌では「万葉集」から三代集まで用例がないので、これが奈良時代の訓をどの程度反映しているか、問題が残る。

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デジタル大辞泉 「曙」の意味・読み・例文・類語

あけ‐ぼの【×曙】

ほのぼのと夜が明けはじめるころ。「朝ぼらけ」より時間的に少し前をさす。夜明け東雲しののめ
新しく事態が展開しようとする時。「日本歴史の
[類語]明け方夜明け明け未明朝まだき黎明朝明け残夜かわたれ時白白明け朝ぼらけ有明東雲しののめ払暁早暁薄明夜明け前鶏鳴あした朝方朝っぱら早朝モーニング

あけぼの[人工衛星]

平成元年(1989)2月に打ち上げられた科学衛星EXOS-Dエクソスディーの愛称。宇宙科学研究所(現JAXAジャクサ)が開発。オーロラに関連する磁気圏の観測を目的とする。オーロラの発生原因となる荷電粒子の加速機構、低高度プラズマ圏の熱的構造などの解明に貢献した。平成27年(2015)4月運用終了。

しょ【曙】[漢字項目]

人名用漢字] [音]ショ(漢) [訓]あけぼの
あけぼの。明けがた。「曙光曙色
[名のり]あきら・あけ

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「曙」の解説

あけぼの【曙】

富山日本酒。酒名は、日本海に昇る朝日由来純米大吟醸酒大吟醸酒吟醸酒純米酒本醸造酒などがある。原料米は山田錦雄山錦、五百万石など。仕込み水は自家井戸水。蔵元の「髙澤酒造場」は明治5年(1872)創業所在地は氷見市北大町。

出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報

367日誕生日大事典 「曙」の解説

曙 (あけぼの)

生年月日:1969年5月8日
昭和時代;平成時代の格闘家;元・力士(第64代横綱)

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「曙」の解説

曙 (アケボノ)

植物。ツツジ科のオオムラサキの枝変わり品種

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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