曾占春(読み)そう・せんしゅん

朝日日本歴史人物事典 「曾占春」の解説

曾占春

没年天保5.2.20(1834.3.29)
生年:宝暦8(1758)
江戸後期の本草学者。先祖は明人。名は槃,昌啓,永年,字は子攷。庄内(鶴岡)藩医の子として江戸に生まれ,初め庄内藩に仕える。田村藍水に学び,寛政4(1792)年薩摩(鹿児島)藩主島津重豪に仕え,同藩の本草学・博物学を興隆させた。重豪の命で編纂した『成形図説』30巻(1804)は有用植物の効能,育成法を記した応用博物学の名著で,他に『蝦夷草木志料』(1799),『春の七くさ』(1800),『渚の丹敷』(1803),重豪の業績録『仰望節録』(1832)など30数点の著作がある。該博な知識を有する俊才だったが,実地調査型ではなく,考証注釈を軸とする名物学的色彩が濃かった。

(磯野直秀)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「曾占春」の解説

曾占春 そう-せんしゅん

1758-1834 江戸時代後期の本草家,医師。
宝暦8年生まれ。田村藍水(らんすい)に本草学を,多紀藍渓医学をまなぶ。寛政4年から鹿児島藩につかえ,藩主島津重豪(しげひで)の命により,博物誌「成形図説」を編集した。天保(てんぽう)5年2月20日死去。77歳。江戸出身。名は槃(はん)。字(あざな)は子攷(しこう)。著作に「本草綱目纂疏」「国史草木昆虫攷」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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