最上流(読み)さいじょうりゅう

精選版 日本国語大辞典 「最上流」の意味・読み・例文・類語

さいじょう‐りゅう サイジャウリウ【最上流】

〘名〙 (「最上」は、創始者出生地地名「最上(もがみ)」と、最上などの意を兼ねて付けたものという) 和算の一流派。出羽国最上の人、会田安明の創始したもの。
※鵬斎先生文鈔(1822)下「其術実古今算氏之所発也。因自命其術、曰天生法、遂建一家最上流云」

もがみ‐りゅう ‥リウ【最上流】

〘名〙 和算の一流派。江戸時代寛政一七八九‐一八〇一)の頃、出羽国最上の人、会田安明を祖とするもの。さいじょうりゅう。
※解惑弁誤古事類苑・文学四一)「己が無知妄作を以て、最上流と号し」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の最上流の言及

【会田安明】より

…この出版により,藤田の弟子の神谷定令によるきびしい攻撃を受けた。会田は自分の塾を最上流と名づけ,藤田の関流と対抗した。その結果,関流と最上流とで20年もの間,互いに相手を非難する数学書を送って論戦した。…

【関流】より

…そのほか,流派は日本中いたるところにたくさんあるが,これらの流派の間はとくに排他的ではなく,それぞれよいところを吸収しあって発展した。会田安明を始祖とする最上流と関流との論争はまったく偶然のできごとであった。もちろん,流派の間での対抗意識はないわけではなく,日本人の数的知識を広める役割も果たした。…

【和算】より

…この書は代表的な数学遊戯の書として今に至るまで読まれている。そのころ,山形から江戸に出て,数学者になろうと考えた会田安明(1747‐1817)は,藤田貞資の弟子になろうとして果たせず,藤田の名著《精要算法》を批判した《改精算法(かいせいさんぽう)》(1785)を出版したことから,藤田の属する関流と,会田が起こした最上流(さいじようりゆう)とで論戦が始まった。この論戦は約20年続き,これによって討論らしきものができかかった。…

【会田安明】より

…この出版により,藤田の弟子の神谷定令によるきびしい攻撃を受けた。会田は自分の塾を最上流と名づけ,藤田の関流と対抗した。その結果,関流と最上流とで20年もの間,互いに相手を非難する数学書を送って論戦した。…

【関流】より

…そのほか,流派は日本中いたるところにたくさんあるが,これらの流派の間はとくに排他的ではなく,それぞれよいところを吸収しあって発展した。会田安明を始祖とする最上流と関流との論争はまったく偶然のできごとであった。もちろん,流派の間での対抗意識はないわけではなく,日本人の数的知識を広める役割も果たした。…

【和算】より

…この書は代表的な数学遊戯の書として今に至るまで読まれている。そのころ,山形から江戸に出て,数学者になろうと考えた会田安明(1747‐1817)は,藤田貞資の弟子になろうとして果たせず,藤田の名著《精要算法》を批判した《改精算法(かいせいさんぽう)》(1785)を出版したことから,藤田の属する関流と,会田が起こした最上流(さいじようりゆう)とで論戦が始まった。この論戦は約20年続き,これによって討論らしきものができかかった。…

※「最上流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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