最上胴(読み)もがみどう

精選版 日本国語大辞典 「最上胴」の意味・読み・例文・類語

もがみ‐どう【最上胴】

〘名〙 室町末期に流行した甲冑の製作様式である最上形(もがみがた)にした腹巻胴丸の胴。
随筆貞丈雑記(1784頃)一一近世具足の胴に最上胴(モガミドウ)と云物あり鉄にて四枚胴にして鋲にてとぢたる物也」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の最上胴の言及

【甲冑】より

…鉄の多用は重量を増したので,虚飾的な装飾金具は極端に整理され,重量を支えるため綿嚙に肩当,襟廻りなどが付された。小札,威毛も合理的に整理されて板札,素懸(すがけ)威となり,さらに小札2枚・3枚分をまとめた伊予札,切付札から各段横板状になった最上胴(もがみどう),桶側胴(おけがわどう)が生じた。またいっそうこれを発展させたのが一枚板による仏胴,南蛮胴である。…

【胴丸】より

…しかも15世紀末から歩兵中心となり,打物より鑓(やり)が広く普及するに及んで,従来のいわゆる札仕立(さねじたて)の胴丸では,鑓の鋭い衝撃には耐えられなくなった。そのため鉄板による帯状の一文字の板札(いたざね)を素懸に威して用いることになり,柔軟性を欠いた不便を補うため,最上(もがみ)胴丸が生じた。これは衡胴の両脇の4ヵ所に蝶番(ちようつがい)をつけて開閉装置とした様式で,この種の胴丸をひろく具足(ぐそく)ともいった。…

※「最上胴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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