最小発火エネルギー(読み)サイショウハッカエネルギー

化学辞典 第2版 「最小発火エネルギー」の解説

最小発火エネルギー
サイショウハッカエネルギー
minimum ignition energy

点火エネルギーともいう.可燃性混合気体を電気火花のような熱源発火させる場合,それに必要な最小の放電エネルギーをいう.この値は可燃性ガスの種類,混合気組成,温度,圧力などの条件によってかわるが,多くの炭化水素については1 atm(101 kPa),常温の状態で 10-1 mJ(ミリジュール)くらいである.また,最小発火エネルギーは火花電極の形状,間げきにも依存し,とくに電極間げきがいちじるしく小さくなると,電極を通しての放熱が大きくなるため,放電エネルギーのいかんにかかわらず,発火は起こらなくなる.この間げきの最大距離は消炎の限界を与える意味で消炎距離(quenching distance)とよばれ,発火エネルギーとともに重要な特性値となる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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