月奏(読み)げっそう

精選版 日本国語大辞典 「月奏」の意味・読み・例文・類語

げっ‐そう【月奏】

〘名〙 平安時代前月上日(勤務)した日数天皇に奏する儀式毎月一日に行なわれることになっており、参議以上、および少納言外記弁官、史、侍従内記蔵人および諸所諸陣などの枢要の官、近侍する官人の上日を奏する。〔類聚符宣抄‐康保四年(967)八月二七日宣旨〕

がっ‐そう グヮッ‥【月奏】

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「月奏」の意味・読み・例文・類語

げっ‐そう【月奏】

律令制で、毎月1日に、前月に官人の勤務した日数を調べて天皇に奏聞すること。また、その儀式。がっそう。

がっ‐そう〔グワツ‐〕【月奏】

げっそう(月奏)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

山川 日本史小辞典 改訂新版 「月奏」の解説

月奏
げっそう

毎月,前月の出勤日数(上日)を天皇へ奏上する行事。参議以上・少納言・外記・弁・史の上日と,左近陣から提出される出居(でい)侍従・内記の上日は内侍所(ないしどころ)が奏聞し,殿上・蔵人所(くろうどどころ)・所々・諸陣の上日は蔵人が奏聞した。参議以上の上日を奏上するようになるのは,809年(大同4)以降のことで,「西宮記」の記載によると月奏の制度は10世紀には成立していた。「朝野群載」巻5に文書実例がみえる。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の月奏の言及

【日給の簡】より

…上番の者は放紙(はなちがみ)と称する小紙片に日付を,宿直の者はさらに放紙の日付の下に〈夕〉の字を書いて自分の氏名の下にはり,それを集計したものを翌月1日に天皇に奏する。月奏という。日給の簡の取扱いや放紙の形式などは《侍中群要》や《禁秘抄》にくわしい。…

※「月奏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android