有徳者(読み)うとくしゃ

精選版 日本国語大辞典 「有徳者」の意味・読み・例文・類語

うとく‐しゃ【有徳者】

看聞御記‐永享九年(1437)三月九日「山法師戒浄有罪科事召捕。〈略〉有徳者也、家財宝悉被闕所

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の有徳者の言及

【有徳人(有得人)】より

…〈うとくじん〉〈うとくしゃ〉ともいう。徳=得であり,福徳有る人という意味で,金銀財宝をたくさん所有する裕福な人を指す。鎌倉後期から室町時代に盛んに史料に現れ,江戸時代の仮名草子,浮世草子にも出てくる。《沙石集》に〈或山寺に有徳の房主〉や〈酤酒家の徳人の尼〉と見えるように,借上(かしあげ),土倉(どそう),酒屋などの金融業者,商工業者の富裕なものを指す。虎明本狂言の〈三人の長者〉の〈長者の有徳人〉のように,有徳の長者と表現される場合も多い。…

【徳治主義】より

…とくに古代においては,天皇が詔勅等においてしばしば〈徳薄くして位にある〉と謙遜し,災害発生をその〈菲徳(ひとく)故〉とみずから責めており,一方,宮廷知識人の書いたとくに漢文の文章には天皇などによる〈徳化〉〈徳政〉をたたえる表現はそれ以降普通である。武士もその影響を受け,室町幕府が守護には〈有徳(うとく)者〉を任ずるべきであるとしたこともある(1338)。そして江戸時代には儒学流行に伴って儒者以外にも上記のごとき考えはしだいに流布し,武士は民の道徳的模範であると主張されることもあり,将軍,大名で徳を修めるべく真剣に努力する者も現れるにいたった。…

※「有徳者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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