有職・有識(読み)ゆうそく

精選版 日本国語大辞典 「有職・有識」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐そく イウ‥【有職・有識】

〘名〙 (学識のある意で、もと「有識」と書かれたが、官職典故に通じていることをいうようになって「有職」とも書かれるようになる)
① (形動) 学問に精通していること。学識のあること。また、そのさまやその人。ゆうしき。
※続日本紀‐延暦九年(790)七月辛巳「応神天皇命上毛野氏遠祖荒田別、使於百済、捜聘有識者
② 音楽などの諸芸道にすぐれていること。また、その人。
源氏(1001‐14頃)若菜下「たた今、いうそくおぼえ高き、その人、かの人、御前などにて、たびたびこころみさせ給るに、すぐれたるは、数少なくなりためるを」
③ 才知・人柄・家柄容貌などのすぐれた人。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「左大将殿にこそ、さるべきよのいうそくはこもりためれど、又、をかしききみたちあまたありて」
朝廷仙洞をはじめとする公家儀礼・行事・官職などの故実に通じていること。また、その人。有職家。ゆうしき。
永昌記‐大治元年(1126)三月一九日「後奏巻数、猶不分明、重可有職歟」
[補注]「有識」「有職」と表記されている用例は「ゆうしょく」か「ゆうそく」か読みが明らかでない。古辞書類は「ゆうしょく」とあるものが多いので「ゆうしょく」と読むべきかとも思われるが、便宜慣用に従って本項におさめた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android