朝日(読み)あさなけに

精選版 日本国語大辞典 「朝日」の意味・読み・例文・類語

あさな‐けに【朝日】

〘副〙 朝に昼に。いつも。毎日。あさにけに。
※古今(905‐914)離別・三七六「あさなけにみべききみとし頼まねば思ひ立ちぬる草枕なり〈〉」
[補注]「万葉集」に見える「あさにけに(朝爾日爾、朝爾食爾)」の転じたものか。「万葉集」ではすべて「あさにけに」である。

あさに‐けに【朝日】

〘副〙 朝ごと日ごとに。朝に昼に。あさなけに。
※万葉(8C後)三・三七七「青山の嶺の白雲朝爾食爾(あさニけニ)常に見れどもめづらしあが君」
[語誌]「け」は「か(日)」の変化した形で乙類。「日に異(け)に」「月に異(け)に」の「け」は甲類で、語源や意味も別と考えられている。

ちょう‐じつ テウ‥【朝日】

〘名〙 あさひ。朝陽。
三教指帰(797頃)中「恃草上露、忘朝日至」 〔蔡邕‐協初賦〕

あさに‐ひに【朝日】

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「朝日」の意味・読み・例文・類語

あさ‐ひ【朝日/×旭】

朝、東から昇る太陽。また、その光。「―が昇る」「―が差し込む」
稲・リンゴ・ナシの一品種。
[類語]曙光旭光朝日影朝焼け旭日初日夕日入り日落日斜陽西日落陽夕影残光夕映え夕日影残照残映夕焼け

ちょう‐じつ〔テウ‐〕【朝日】

あさひ。旭日きょくじつ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「朝日」の意味・わかりやすい解説

朝日
あさひ

山形県西部,鶴岡市南東部の旧村域。赤川上流域,朝日山地の山あいにある。南西部は新潟県に接する。 1954年大泉村,本郷村,東村が合体し朝日村が成立。 2005年鶴岡市,藤島町,羽黒町,櫛引町,温海町の1市4町と合体して鶴岡市となった。域内を北流する大鳥川,梵字川 (ぼんじがわ) は朝日山地の残雪を溶かして流れる急流河川で,多目的ダムの荒沢ダム,八久和ダムが建設され,発電所が点在する。北部の河川合流地域で米作が行なわれ,田麦俣 (たむぎまた) ,大網などの丘陵地帯では林産物の栽培が行なわれる。六十里越街道沿いの大網などは湯殿山参詣の基地。田麦俣も行者宿のあったところで,雪が多く,多層民家がみられる。南部は磐梯朝日国立公園に属する。

朝日
あさひ

新潟県北部,村上市の中・東部を占める旧村域。朝日山地の南西部に位置する。1954年館腰村,三面村 ,高根村,猿沢村,塩野町村の 5村が合体して朝日村が発足。2008年村上市,荒川町,山北町,神林村の 4市町村と合体して村上市となった。朝日山地と三面川の形成する三面盆地からなる。中世上杉氏の時代には越後黄金山といわれた高根金山が栄え,三面川の支流高根川上流には狸掘りの跡が残っている。農林業,木工業が主産業。三面川上流は電源開発が進み,観光地となっている。一部が磐梯朝日国立公園に属する。

朝日
あさひ

福井県中北部,越前町北東部の旧町域。武生盆地の北西部と丹生山地の一角を占める。 1946年町制施行。 1955年糸生村と合体。 2005年宮崎村,越前町,織田町と合体して越前町となる。地名は仏像開眼に際し朝日のような光を発したという伝承による。天王川の武生盆地への出口に中心地区の西田中がある。機業がおもな産業。中心近くの段丘に朝日山古墳群があり,公園として整備されている。

朝日
あさひ

北海道中北部,士別市東部の旧町域。天塩川の上流域にあり,域内は北見山地の山岳で占められる。 1962年町制。 2005年士別市と合体。天塩川沿いに農耕地が開け,米作と林業が主産業。天塩川をせき止めた多目的ダム,岩尾内ダムの人造湖,岩尾内湖は天然林に囲まれた行楽地。天塩岳 (1558m) 北西麓一帯は天塩岳道立自然公園に属する。

朝日
あさひ

岐阜県北部,高山市南東部の旧村域。乗鞍岳西斜面にある。 1889年村制。 2005年高山市に編入。山地斜面を利用した畜産,高冷地野菜の栽培が行なわれる。近くに朝日ダムがある。一部は中部山岳国立公園に属する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「朝日」の意味・わかりやすい解説

朝日[町] (あさひ)

山形県中央部,西村山郡の町。1954年宮宿町,西五百川村,大谷村が合体,改称。人口7856(2010)。町の東部を北流する最上川に沿った山間の町で,中心集落の宮宿は江戸時代は青苧,明治以降は生糸の集散地としてにぎわい,明治・大正期には桑市が開かれていた。南西部の大半は磐梯朝日国立公園の山岳地帯で占められており,朝日温泉,朝日川第1・第2発電所が峡谷部にある。町北部の大沼は浮島(名)で知られる景勝地で,朝日岳の登山道にあたり,古くから朝日岳信仰の基地となった浮島稲荷神社がある。町域の大部分は山林原野で,険しい地形のため耕地面積は限られるが,主産業は農業で,特にリンゴ生産が盛ん。また朝日町ワインも生産する。江戸時代の大庄屋佐竹家の住宅は重要文化財に指定されている。国道287号線が通じる。
執筆者:

朝日[町] (あさひ)

富山県北東端,下新川郡の町。人口1万3651(2010)。北は日本海に面し,東は新潟県に接する。飛驒山脈が日本海に迫り,町域の大半は山地である。越中・越後国境の要地にあり,源平争乱期には北陸宮を擁した宮崎氏が宮崎城を築いている。宮崎城は戦国期には越後の上杉氏と越中武士団の攻防の焦点となった。中心集落の泊は小川下流の低地にあり,江戸時代は北陸街道の宿場町であった。東端の境には,江戸時代に加賀藩の境関所が設けられていた。典型的な水稲単作地域であるが,宮崎浜ではワカメが採れ,漁業も行われる。南東にそびえる朝日岳(2418m)周辺は中部山岳国立公園に含まれ,小川上流に小川温泉(含重曹食塩泉,40℃)がある。縄文中期の不動堂遺跡,宮崎鹿島樹叢(天)などがあり,海岸沿いに北陸本線,国道8号線が通じ,北陸自動車道朝日インターチェンジがある。
執筆者:

朝日[町] (あさひ)

三重県北東部,三重郡の町。人口9626(2010)。北から東は員弁(いなべ)川(町屋川)を挟んで桑名市に,西は朝明(あさけ)川を隔てて四日市市に接する。北西部には丘陵地が分布するが,大部分は員弁川と朝明川によって形成された沖積低地である。近世までは東海道の街村にすぎなかったが,近代に入って町の中央をJR関西本線,近鉄名古屋線,国道1号線が貫通して交通条件が整い,1938年に東芝三重工場の誘致に成功し工業の町に変身した。名古屋市,四日市市への通勤者も多い。伊勢湾岸自動車道が通る。
執筆者:

朝日[村] (あさひ)

長野県中部,東筑摩郡の村。人口4741(2010)。松本盆地の南西端に位置し,村域の約9割が飛驒山脈の山岳地帯に含まれる。南西部には鉢盛山(2446m),烏帽子岳(1952m)がそびえ,村の中央を鎖川が北東流する。鎖川の開析扇状地での畑作を主とする農業が主産業であり,レタス,ハクサイ,トマト,キャベツなどの高原野菜の栽培が盛ん。中心集落の小野沢もここに立地する。
執筆者:

朝日(北海道) (あさひ)

朝日(福井) (あさひ)

朝日(山形) (あさひ)

朝日(新潟) (あさひ)

朝日(岐阜) (あさひ)

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

普及版 字通 「朝日」の読み・字形・画数・意味

【朝日】ちよう(てう)じつ

朝の日。魏・曹植〔雑詩、六首、一〕高臺、悲風多し 日、北林を照らす 之(こ)の子、里に在り 江湖迥(はる)かにして且つ深し

字通「朝」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

デジタル大辞泉プラス 「朝日」の解説

朝日〔米の品種〕

米の品種のひとつ。明治期に京都府の農業、山本新次郎氏が「日ノ出」より選抜育成、「朝日」と命名したが、同名の品種が丹波地方ですでに育成されていたことから、京都府農業試験場が1911年に「旭」(「京都旭」とも)と改名。その後大正期に岡山県で品種改良が行なわれ、1924年同県の奨励品種となる。当時すでに「旭」の名称で栽培されていた品種があったため、混同を避けるため再び「朝日」と命名、現在に至る。岡山県を代表する銘柄米として知られる。「朝日米」とも。

朝日〔戦艦〕

日本海軍の戦艦。敷島型戦艦の2番艦。前弩級戦艦。イギリスで建造され、1900年7月に竣工、同年10月に横須賀に到着。日露戦争第一次世界大戦では主力艦として活躍。第二次世界大戦では工作艦となる。1942年、南シナ海でアメリカの潜水艦の雷撃により沈没。

朝日〔タバコ〕

大蔵省専売局が1904年に発売した国産の紙巻たばこ。日露戦争の戦費調達を目的として1904年に施行された煙草専売法のもとで発売された最初の口付たばこ4銘柄のひとつ。4銘柄中2番目に安い。

朝日〔黒糖焼酎〕

鹿児島県、朝日酒造株式会社が製造する黒糖焼酎。

朝日〔道の駅〕

新潟県村上市にある道の駅。国道7号に沿う。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「朝日」の解説

あさひ【朝日】

鹿児島の黒糖焼酎。サンゴ礁の石灰層から湧く硬水と白麹を用いて甕で仕込む。常圧蒸留のあと、2~3年貯蔵熟成させ瓶詰する。原料は黒糖、米麹。アルコール度数25%。蔵元の「朝日酒造」は大正5年(1916)創業。所在地は大島郡喜界町大字湾。

出典 講談社[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションについて 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android