朝熊ヶ岳(読み)あさまがだけ

日本歴史地名大系 「朝熊ヶ岳」の解説

朝熊ヶ岳
あさまがだけ

[現在地名]伊勢市朝熊町

伊勢市街地の東南にあり、鳥羽市境に近い。標高五五三・四メートル。「三国地志」は別称としてたけを記す。山頂きようヶ峰といい、「五鈴遺響」に「経ケ峰当山ノ絶頂ヲ名ク、竜池トイフ山中ニアリ、六月一日山僧修法ノ処ニシテ常ニ至ルコトナシ、結界ノ地ナリト言フ」と記されている。山頂一帯に経塚群がある。金剛証こんごうしよう寺の所在地として知られ、参宮者の多くが登拝した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「朝熊ヶ岳」の意味・わかりやすい解説

朝熊ヶ岳
あさまがたけ

三重県伊勢市(いせし)の東部、鳥羽(とば)市との境近くにある秩父中・古生層からなる山。朝熊山ともいう。北峰と南峰があり、北峰は標高555メートルで高くはないが、志摩半島の最高峰。山頂からは鳥羽湾をはじめ伊勢湾の対岸まで望むことができる。伊勢志摩スカイラインが通じ、東海十八州を一望に収めるという十八州展望台などもあって、伊勢志摩国立公園内の名所の一つとなっている。南峰に弘法(こうぼう)大師中興になるという朝熊山金剛證寺(こんごうしょうじ)があり、境内に朝熊山経塚群がある。地名のおこりは、弘法大師が修行中、朝に熊(くま)が、夕に虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)が現れたことによると伝えられる。

[伊藤達雄]


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世界大百科事典(旧版)内の朝熊ヶ岳の言及

【朝熊山】より

…朝熊ヶ岳ともいう。三重県伊勢市の東端にあり,志摩半島の最高峰。…

※「朝熊ヶ岳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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