朝立(読み)あさだち

精選版 日本国語大辞典 「朝立」の意味・読み・例文・類語

あさ‐だち【朝立】

〘名〙
① 朝早く旅立つこと。早立ち。⇔夜立ち
万葉(8C後)九・一七八五「朝鳥の 朝立(あさだち)しつつ 群鳥(むらどり)の 群立ち去(い)なば」
平治(1220頃か)下「ならはぬ旅の朝立に、露と争ふ我が涙」
朝方に降るにわか雨。⇔夕立。〔和英語林集成再版)(1872)〕
夜明け。朝まだき。
青井戸(1972)〈秦恒平〉「凍える底冷え朝立ち雑巾を使い竹箒を使い」

あさ‐だ・つ【朝立】

〘自タ四〙
① 朝早く旅に出立する。また、鳥などが、朝早く飛び立って行く。
※万葉(8C後)二〇・四四七四「群鳥(むらとり)の安佐太知(アサダチ)いにし君が上はさやかに聞きつ思ひしごとく」
② 朝になり始める。明けそめる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の朝立の言及

【三瓶[町]】より

…江戸時代から三瓶湾を埋め立てて新田や塩田の開発が行われた。湾奥の朝立(あさだつ),安土,津布理(つぶり)地区に中心市街が形成され,三瓶港は近海漁業の基地となっている。湾内ではハマチや真珠の養殖が盛んで,特に下泊(しもどまり)を中心とするハマチ養殖では県下有数の産地である。…

※「朝立」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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