朝覲行幸(読み)ちょうきんのぎょうこう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「朝覲行幸」の意味・わかりやすい解説

朝覲行幸
ちょうきんのぎょうこう

覲は謁見の意で、天皇が親である太上(だいじょう)天皇・皇太后居所を訪問し拝謁すること。朝覲行幸とはそのために行幸、すなわち外出すること。嵯峨(さが)天皇の809年(大同4)8月に始まったとされ、平安時代に盛んになる。鎌倉時代まで行われたが、以後下火になった。年始の挨拶(あいさつ)として正月の3、4日ごろに行われるのが朝廷恒例の儀となったが、ほかに践祚(せんそ)、即位または元服のあとに行われる臨時の儀もあった。

[酒井信彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の朝覲行幸の言及

【朝覲】より

…天皇が年の初めに太上天皇,皇太后の宮に行幸して,正月のあいさつをすること。朝覲行幸ともいう。朝覲は本来は諸侯が天子に拝謁する意。…

※「朝覲行幸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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