朝霞(読み)アサガスミ

デジタル大辞泉 「朝霞」の意味・読み・例文・類語

あさ‐がすみ【朝×霞】

[名]朝に立つ霞。 春》「茶を呑めと鳴子引なり―/一茶
[枕]
八重に立ちこめ物がはっきり見えない意、また霞の立つ春の意から「八重」「ほのか」「春日はるひ」にかかる。
「―ほのかにだにいもに逢はざらむ」〈・三〇三七〉
鹿火かひ蚊火)の煙が霞のようにたなびく意から「かひ」にかかる。
「―鹿火屋かひやが下に鳴くかはづ」〈・二二六五〉
[類語]ガススモッグ雲霞夕霞春霞煙霞

あさか【朝霞】

埼玉県南部の市。もと川越街道膝折ひざおり宿として栄えた。第二次大戦後住宅都市として発展。自衛隊駐屯地がある。人口13万(2010)。

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精選版 日本国語大辞典 「朝霞」の意味・読み・例文・類語

あさ‐がすみ【朝霞】

[1] 〘名〙 朝立つ霞。《季・春》
万葉(8C後)二・八八「秋の田の穂の上に霧らふ朝霞いつへの方にわが恋やまむ」
[2] (朝の霞は、ものがはっきり見えないところから) 「ほのか」「香火屋(かひや)」にかかる。
※万葉(8C後)一〇・二二六五「朝霞かひやが下に鳴くかはづ声だに聞かばあれ恋ひめやも」

ちょう‐か テウ‥【朝霞】

〘名〙
① 朝にたちこめるかすみ。あさがすみ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
② (「霞」は雲気のこと) あさやけ。
※授業編(1783)九「朝霞は朝やけ暮霞は夕やけなる」 〔楚辞‐遠遊〕

あさか【朝霞】

埼玉県南部の地名。川越街道膝折(ひざおり)宿があったところ。江戸末期から銅製品の加工業がおこる。第二次大戦後は住宅都市として発展。自衛隊駐屯地がある。昭和四二年(一九六七市制

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普及版 字通 「朝霞」の読み・字形・画数・意味

【朝霞】ちよう(てう)か

朝もや。魏・曹植〔神女の賦〕くして之れをめば、皎(けう)として太陽霞に升(のぼ)るが(ごと)く、りて之れを察(み)れば、渠(ふきよ)の波(りよくは)を出づるがし。

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改訂新版 世界大百科事典 「朝霞」の意味・わかりやすい解説

朝霞[市] (あさか)

埼玉県南部の市。江戸時代,川越街道の膝折(ひざおり)宿と称した所で,1932年に朝霞町と改称,67年市制。人口12万9691(2010)。武蔵野台地の北東縁辺部と荒川低地にまたがる。地場産業として有名な伸銅工業は天保年間(1830-44)に黒目川の水車動力源として始まり,大正期のモーター導入で生産が増大したが,第2次世界大戦後は衰え,現在は金属・電気機械工業が主力となっている。東京の都心から20km圏に位置し,東武東上線とJR武蔵野線が連絡し国道254号線も通じているため,1960年代以降,宅地化が進んだ。戦前の東京ゴルフクラブは戦時中に陸軍予科士官学校,戦後は米軍キャンプになったが,69年一部が陸上自衛隊朝霞駐屯地として返還されてから,現在までに基地の大半が戻った。跡地には,中央公園・総合体育館・図書館などの公共施設がつくられた。市の北部には利根川の水を東京都へ供給する朝霞浄水場がある。
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動植物名よみかた辞典 普及版 「朝霞」の解説

朝霞 (アサガスミ)

植物。キンポウゲ科のクレマチスの園芸品種

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