朝顔の(読み)アサガオノ

デジタル大辞泉 「朝顔の」の意味・読み・例文・類語

あさがお‐の〔あさがほ‐〕【朝顔の】

[枕]朝顔の花は「に咲きづ(=目立つように咲き出る)」意から、「穂」にかかる。
「―穂には咲きぬ恋もするかも」〈・二二七五〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「朝顔の」の意味・読み・例文・類語

あさがお‐の あさがほ‥【朝顔の】

朝顔の花のように、の意で下の語句にかかる。
① 朝顔の花が美しく、人目につきやすいところから、「穂に咲き出づ」につづく。
万葉(8C後)一〇・二二七五「言(こと)に出でて言はばゆゆしみ朝㒵乃(あさがほノ)穂には咲き出ぬ恋もするかも」
② 朝顔の花が、朝咲いてたちまちしぼんでしまうところから、「はかなし」につづく。
※新拾遺(1364)哀傷・九一〇「あさがほのあだにはかなき命をばつとめてのみぞしばし保たん〈源信〉」
③ 「年さえこごと」につづく。かかり方は未詳一説末句の「放(さ)く」に「咲く」の意を介してかかるという。また、初句の「わが愛妻」にかかるものが倒置されたともいう。あるいは比喩の句で、「凍(こご)ゆ」の意を表わすとも、稲などにからみつく意を表わすとも、恋人をたとえたものともいう。
※万葉(8C後)一四・三五〇二「わが愛妻(めづま)人は離(さ)くれど安佐我保能(アサガホノ)年さへこごと吾(わ)は離(さ)かるがへ」

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