木屋弥三右衛門(読み)きや・やそうえもん

朝日日本歴史人物事典 「木屋弥三右衛門」の解説

木屋弥三右衛門

生年生没年不詳
江戸前期の和泉国堺(大阪府)の朱印船貿易家。江戸幕府よりの異国渡海朱印状の交付数においては,角倉,末吉,茶屋など各家の豪商に比肩した。特に,暹羅国(タイ)へは,慶長11(1606)年から元和6(1620)年まで7通を拝領し,その他の大名,商人を圧倒。このほか,柬埔寨(1608),呂宋(1615)への朱印状も拝領した。こうした渡航経歴により,慶長18(1613)年には,暹羅国情勢を徳川家康より諮問されている。また,元和7年と同9年2度の暹羅国使節来日の際は,入道姿で江戸城や京都二条城に出仕し,以心崇伝らと外交儀礼の場に臨席している。<参考文献>以心崇伝『影印本異国日記』

(岩崎義則)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「木屋弥三右衛門」の解説

木屋弥三右衛門 きや-やそうえもん

?-? 江戸時代前期の豪商。
和泉(いずみ)(大阪府)堺(さかい)の人。シャム,カンボジア,ルソンへの朱印状をえて慶長11年(1606)以来朱印船を派遣,角倉了以(すみのくら-りょうい),末吉吉安らとならんで海外貿易に活躍。元和(げんな)9年シャム使節が徳川家康に謁見した折の通訳をつとめた。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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