木山捷平(読み)きやましょうへい

精選版 日本国語大辞典 「木山捷平」の意味・読み・例文・類語

きやま‐しょうへい【木山捷平】

小説家岡山県出身。東洋大学中退。詩人として出発したが、昭和八年(一九三三太宰治らと同人誌海豹」を創刊小説に転じた。同一〇年「日本浪曼派同人。庶民性に徹した飄逸で知られた。「抑制の日」「大陸細道」「長春五馬路(ウーマロ)」など。明治三七~昭和四三年(一九〇四‐六八

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デジタル大辞泉 「木山捷平」の意味・読み・例文・類語

きやま‐しょうへい〔‐セフヘイ〕【木山捷平】

[1904~1968]小説家・詩人。岡山の生まれ。詩人として出発したのち、昭和8年(1933)、太宰治らと「海豹かいひょう」を創刊。庶民性に徹した私小説で知られる。「大陸の細道」で芸術選奨。他に「抑制の日」「耳学問」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「木山捷平」の意味・わかりやすい解説

木山捷平
きやましょうへい
(1904―1968)

小説家。岡山県生まれ。東洋大学中退。詩人として出発、『野』(1929)、『メクラとチンバ』(1931)の2詩集があり、のちに『木山捷平詩集』(1967)も編まれた。1933年(昭和8)同人誌『海豹(かいひょう)』に加わり、小説を書き始める。作品集『抑制の日』(1939)、『河骨(こうほね)』(1941)などにより、その飄々(ひょうひょう)とした作味が評価された。旧満州(中国東北)で敗戦を迎え、当時の体験を生かした作に、長編『大陸の細道』(1962)、『長春五馬路(ウーマロ)』(1968)がある。晩年の作品集『去年今年』(1968)、『斜里白雪』(1968)などからも、その庶民性に徹した独自の境地が読み取れる。

保昌正夫

『『木山捷平全集』全8巻(1978~79・講談社)』『木山みさを編『感愛集――木山捷平追悼録』(1970・永田書房)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「木山捷平」の解説

木山捷平 きやま-しょうへい

1904-1968 昭和時代の詩人,小説家。
明治37年3月26日生まれ。昭和4年詩集「野」を出版。8年同人誌「海豹(かいひょう)」を太宰治(だざい-おさむ)らと創刊。飄逸(ひょういつ)な作風の私小説で知られ,38年満州(中国東北部)での戦時体験をえがいた長編小説「大陸の細道」で芸術選奨をうけた。昭和43年8月23日死去。64歳。岡山県出身。東洋大中退。

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