木村伊兵衛写真賞(読み)キムライヘエシャシンショウ

デジタル大辞泉 「木村伊兵衛写真賞」の意味・読み・例文・類語

きむらいへえ‐しゃしんしょう〔きむらイヘヱシヤシンシヤウ〕【木村伊兵衛写真賞】

木村伊兵衛を記念し、昭和50年(1975)に創設された写真賞。年に1度、優れた業績を残した写真家に贈られる。木村伊兵衛賞

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知恵蔵 「木村伊兵衛写真賞」の解説

木村伊兵衛写真賞

戦前・戦後を通じて報道・スナップ写真などさまざまな分野で活躍した写真家・木村伊兵衛(1901~74年)の業績を記念して、1975年に朝日新聞社が創設した写真賞。2007年度から朝日新聞社・朝日新聞出版の共催となった。1年間の写真制作、発表活動に優れた業績を残した写真家に贈られる。発表は毎年の「アサヒカメラ」誌4月号にて行われる。新進気鋭の若手写真家が選ばれることが多いことから「写真界の芥川賞」と形容されることもあり、第26回には長島有里枝、蜷川実花、HIROMIXの若手女性写真家3氏が同時受賞して話題を集め、のちの「ガーリーフォトグラフ」の流れを作った。また第30回にはベテランの中野正貴が49歳で受賞、賞が求める「新しさ」は年齢の若さに依らないことを示した。現在の審査員は篠山紀信土田ヒロミ、都築響一、藤原新也、アサヒカメラ編集長の5人。過去の受賞者は以下の通り。「 」内は対象となった作品。
第1回1975年度
北井一夫「村へ」
第2回1976年度
平良孝七「パイヌカジ」
第3回1977年度
藤原新也「逍遙游記」「西蔵放浪」「七彩夢幻」
第4回1978年度
石内都「APARTMENT」
第5回1979年度
岩合光昭「海からの手紙」
倉田精二「ストリート・フォトランダム・東京」1975~79
第6回1980年度
江成常夫「花嫁のアメリカ」
第7回1981年度
渡辺兼人「既視の街」
第8回1982年度
北島敬三「ニューヨーク」
第9回1983年度
受賞者なし
第10回1984年度
田原桂一「TAHARA KEIICHI」1973~83
第11回1985年度
三好和義「RAKUEN」「惑星」
第12回1986年度
和田久士「アメリカン・ハウス」
第13回1987年度
中村征夫「全・東京湾」
第14回1988年度
宮本隆司「建築の黙示録」
第15回1989年度
武田花「眠そうな町」
星野道夫「Alaska」
第16回1990年度
道子EAT
第17回1991年度
柴田敏雄「日本典型」
第18回1992年度
大西みつぐ「周縁の町から」「遠い夏」
小林のりお「FIRST LIGHT
第19回1993年度
豊原康久「Street」
第20回1994年度
今森光彦「世界昆虫記」「里山物語」
第21回1995年度
瀬戸正人「Living Room,Tokyo 1989-1994」「Silent Mode」
第22回1996年度
畠山直哉「LIME WORKS」「都市のマケット」
第23回1997年度
都築響一「ROADSIDE JAPAN/珍日本紀行」
第24回1998年度
ホンマタカシ「TOKYO SUBURBIA 東京郊外」
第25回1999年度
鈴木理策「PILES OF TIME」
第26回2000年度
長島有里枝「PASTIME PARADISE」
蜷川実花「Pink Rose Suite」「Sugar and Spice」
HIROMIX「HIROMIX WORKS」
第27回2001年度
松江泰治「MATUE Taiji」
川内倫子「うたたね」「花火」
第28回2002年度
オノデラユキ「cameraChimera カメラキメラ」
佐内正史「MAP」
第29回2003年度
澤田知子「Costume」「ID400」
第30回2004年度
中野正貴「東京窓景」
第31回2005年度
鷹野隆大「IN MY ROOM」
第32回2006年度
本城直季「Small Planet」
梅佳代「うめめ」
第33回2007年度
岡田敦「I am」
志賀理江子「Lilly」「CANARY」

(神田憲行 ライター / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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