木槿・槿(読み)むくげ

精選版 日本国語大辞典 「木槿・槿」の意味・読み・例文・類語

むくげ【木槿・槿】

〘名〙 アオイ科の落葉低木。中国、インド原産で、観賞用に生垣庭木として植栽される。高さ約三メートル。幹は灰白色。葉は柄をもち卵形で三裂し、縁に粗い鋸歯(きょし)がある。夏から秋にかけ、径五~一五センチメートルの五弁花が咲く。花は朝開いて夜しぼみ、淡紅・白・淡紫色などがある。果実卵円形で熟すと五裂に裂ける。漢方ではつぼみを乾燥したものを木槿(もくきんか)と呼び、煎じて胃腸カタルや腸出血に用いる。一説に、古く「アサガオ」と称したのは、この花をさしていたという。漢名、木槿。はちす。もくげ。ゆうかげぐさ。《季・秋》
※類従本撰集抄(1250頃)五「頭とて髪の生ふべき所には西海枝の葉と、むくけの葉とを、灰に焼きて付け侍りて」
※俳諧・野ざらし紀行(1685‐86頃)「道のべの木槿は馬にくはれけり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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