木綿畳(読み)ユウダタミ

デジタル大辞泉 「木綿畳」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐だたみ〔ゆふ‐〕【木綿畳】

[名]木綿ゆうをたたむこと。また、たたんだもの。神事に用いる。
「―手に取り持ちてかくだにもあれひなむ君に逢はじかも」〈・三八〇〉
[枕]を神に手向たむける意で、「たむけ」に、また「た」を含む地名「たなかみ」にかかる。
「―手向の山を今日けふ越えて」〈・一〇一七〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「木綿畳」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐たたみ ゆふ‥【木綿畳】

[1] 木綿(ゆう)を折りたたむこと。また、そのたたんだもの。神事に用いられた。
万葉(8C後)三・三八〇「木綿畳(ゆふたたみ)手に取り持ちてかくだにも吾れは祈(こ)ひなむ君に逢はじかも」
[2] (一)を神に手向(たむ)ける意で「手向(たむけ)」にかかり、転じて、「た」を含む地名「田上(たなかみ)」にかかる。
※万葉(8C後)六・一〇一七「木綿畳(ゆふたたみ)手向の山を今日越えていづれの野辺にいほりせむ吾れ」
※万葉(8C後)一二・三〇七〇「木綿畳(ゆふたたみ)田上山のさな葛ありさりてしも今ならずとも」

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