木遣歌(読み)きやりうた

精選版 日本国語大辞典 「木遣歌」の意味・読み・例文・類語

きやり‐うた【木遣歌】

〘名〙 =きやり(木遣)
狂歌徳和歌後万載集(1785)一一「力をもいれずしてまづ手ちかくのつちを動かすきやり哥かな」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「木遣歌」の意味・わかりやすい解説

木遣歌
きやりうた

建築用木材や御神木を綱で引くときに音頭をとり,かけ声をかけて歌われた労働民謡。のちに,舟おろし,地つき,石つき,石材や祭礼山車 (だし) を引くときなどにも歌った。また祝儀的性格もあって,三味線を合せ,祝宴などの座敷歌ともなった。元来木遣には力を合せるためかけ声を必要としたが,戦国時代には築城などのため大がかりとなり,当時の風流流行の影響を受けてはなやかな様相を呈した。歌舞伎俳優の1世中村勘三郎は,安宅丸を浅草川へ引くときに,将軍の命により木遣音頭を歌ったといわれる。今日では,伊勢神宮造営のお木曳きや,長野県諏訪の御柱神事の際などに歌われ,また鳶職が祭礼山車の先頭で歌うこともある。

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