未生以前（読み）ミショウイゼン

デジタル大辞泉

みしょう‐いぜん〔ミシヤウ‐〕【未生以前】

１ 《「父母未生以前ぶもみしょういぜん」の略》仏語。自我のない絶対無差別の境地。無我の境地。父母ぶも未生以前。
２ 生まれる以前。ずっと前。とっくの昔。
「それは―で、今は挨拶きりぎりす」〈浄・丹波与作〉

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

みしょう‐いぜん ミシャウ‥【未生以前】

〘名〙

① (「父母未生以前(ぶもみしょういぜん)」の略) 仏語。両親さえ生まれていない以前のすがたで、相対を超えた絶対無差別の境。

※仮名草子・夫婦宗論物語（1644‐46頃）「消ての後は我も無く、人も無く、未生以前(ミシャウイゼン)念ずれば」

② 転じて、生まれる以前。遠い昔。前生。

※天草本伊曾保（1593）狼と、羊の譬への事「ソノトキワ mixǒyjenno(ミシャウイゼンノ) コトナレバ」

出典　精選版 日本国語大辞典