末家(読み)ばっけ

精選版 日本国語大辞典 「末家」の意味・読み・例文・類語

ばっ‐け【末家】

〘名〙
本家から独立して新たな一家をかまえた家族。特に、江戸時代の武家階級で、ある家の子孫で、その家から分知配当を受け、または幕府から別に封祿を受けて一家を立てたものをいう。分家
※諸例集‐六(古事類苑・政治六四)「本家末家唱方之儀」

まっ‐け【末家】

〘名〙
① 一族中で、本家から血縁のもっとも遠い家。
公議所日誌‐五・明治二年(1869)四月「自今末家へは御判物を賜ふを許るさず、宗家祿高を内分し」
芸道の家元制などで、末流の人々。

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デジタル大辞泉 「末家」の意味・読み・例文・類語

ばっ‐け【末家】

本家から分かれた家。分家。また、本家から血縁の最も遠い家。まっけ。
「矢の倉の―の茝庭さいていが六十三歳で歿し」〈鴎外渋江抽斎

まっ‐け【末家】

本家から血縁の最も離れた分家。

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世界大百科事典(旧版)内の末家の言及

【同族】より

…社会学,民族学,民俗学,社会人類学によっては同族団(同族集団,同族団体,同族組織)と呼ばれ,国際学界でもdozokuの名でとおり,クランclanやシブsibとは区別されている。ここにいう分家は末家(マッケ)とも呼ばれ,分家,別家と並べて呼ぶときは一方が親族分家,他方が奉公人分家を指す(関西の都市の商家では必ず別家のほうが奉公人分家を指し,ムラではその逆の呼び方もある)。明治の民法上の〈分家〉は親族分家のみを指し,民法上の〈本家・分家〉関係は奉公人分家を〈分家〉とは認めず排除している。…

※「末家」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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