末期王朝時代(読み)まっきおうちょうじだい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「末期王朝時代」の意味・わかりやすい解説

末期王朝時代
まっきおうちょうじだい

古代エジプトの第 21~26王朝の時代 (前 1085頃~525) をさす。第 20王朝最後の王ラムセス 11世が死ぬと,タニスの君侯セメンテスがナイルデルタに第 21王朝を創設したが,一方ヘリホル子孫も王を名のり,テーベを支配していた。第 22王朝になると支配者は明らかにリビア人となり何代も続いたが,対立する諸王が存在し,続く第 23王朝の時代には国王は臣下の諸侯をほとんど掌握しえなかった。この間にデルタ地帯の大部分の諸侯を従えた君侯テフナクトが第 24王朝を創立したが,エチオピアの侵入を受け第 25王朝は完全にエチオピアの支配するところとなった。おりしも勢力の絶頂期にあったアッシリアがエジプトを征服,エチオピアに激しい敵愾心をもっていたエジプト人ネコ1世サイス総督任命。ネコは第 26王朝を創立,この時代には7人の王が統治し,サイス朝を築き一時繁栄をみたが,アケメネス朝ペルシアの侵入を受けプサムティク3世は退位し,末期王朝時代は終り,ペルシアによるエジプト支配の時代に入った。

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