本康親王(読み)もとやすしんのう

朝日日本歴史人物事典 「本康親王」の解説

本康親王

没年延喜1.12.14(902.1.26)
生年:生年不詳
平安前期の皇族で官人。仁明天皇の第5皇子で母は慈野貞主の娘縄子。一品式部卿宮,八条宮と称される。貞観5(863)年に兵部卿に任じられ,帯剣を賜った。20年後,式部卿に転じた。香の調合名人といわれ,『源氏物語』(梅枝)では紫の上が「八条の式部卿の御方を伝へて」と,親王の調合法を伝授していたことになっている。『薫集類抄』によると,その調合は沈を主に甲香,丁子,白檀などを合わせ,1日酒につけたあと乾かしたり,ひと晩馬糞の下に埋める,といった独特のもの。その日記は『西宮記』に逸文として残る。

(朧谷寿)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「本康親王」の解説

本康親王 もとやすしんのう

?-902* 平安時代前期,仁明(にんみょう)天皇の第5皇子。
母は滋野縄子(しげのの-つなこ)。承和(じょうわ)15年(848)元服。兵部卿(ひょうぶきょう)となり,上総(かずさの)太守,大宰帥(だざいのそち)を兼任。のち式部卿,一品(いっぽん)。八条宮とよばれる。香の調合にすぐれた。延喜(えんぎ)元年12月14日死去。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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