本役(読み)ホンヤク

デジタル大辞泉 「本役」の意味・読み・例文・類語

ほん‐やく【本役】

中世近世、正規に決められた課役全体
江戸時代本百姓に課された役。

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精選版 日本国語大辞典 「本役」の意味・読み・例文・類語

ほん‐やく【本役】

〘名〙
① 中世、加地子(かじし)のような加徴税に対して、国衙荘園領主が収納する本来年貢をいう。
② 中世・近世、納めなければならない正規の課役の全体。一定の課役の中で部分的に免除される半役三分一役などに対して全部を負担するもの。
※蜷川文書‐三集・康正元年(1455)九月一八日「於新加在所者、六ケ度、可半役、至以後者、為本役其沙汰
③ その役者に最も適した本来の役。
※四座役者目録(1646‐53)下「七郎より連をする。本役にて無し」
④ 江戸時代、本百姓のつとめる課役。転じて、本百姓の意にもいう。
※文祿三年勢州渡会郡村山村検地帳(1594)「弐石弐斗弐升七合〈本役〉半太郎」
⑤ 本来の職分。また、その人。
※英政如何(1868)一一「十ケ年勤功の上、外科医本役の乗らざる船に勤むる者は」

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「本役」の解説

本役
ほんやく

中世~近世の年貢・課役で,本来勤めるべき正規の部分。中世では,加地子(かじし)などの加徴税に対し,荘園領主などが収納する本来の年貢をいう。武士主君に対して負った正規の課役を,半役・三分の一役などと区別して用いた。近世の本百姓や屋敷持職人が勤める負担にも用いた。

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