朱泥(読み)しゅでい

精選版 日本国語大辞典 「朱泥」の意味・読み・例文・類語

しゅ‐でい【朱泥】

〘名〙
赤褐色の泥。
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一一「大将隅の方に朱泥を練りかためた人形の様にかたくなって居らあね」
鉄分の多い土を用いてつくった無釉焼締めの陶器で赤褐色を呈するもの。中国の明代宜興窯で創始以後各地に伝わった。急須が多く、日本でも江戸中期から煎茶流行によって盛んにつくられ、万古焼、常滑焼(とこなめやき)、佐渡無名異焼のそれが知られる。
草枕(1906)〈夏目漱石〉八「朱泥の急須から、緑を含む琥珀色玉液を」

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デジタル大辞泉 「朱泥」の意味・読み・例文・類語

しゅ‐でい【朱泥】

鉄分の多い粘土を焼いてつくる赤褐色の無釉むゆう陶器。中国、明代に、煎茶の流行に伴って宜興窯ぎこうようで創始された。急須・湯呑みを主とし、日本では常滑とこなめ伊部いんべ四日市などで産する。→紫泥しでい白泥はくでい

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