朱紈(読み)しゅがん(英語表記)Zhū Wán

改訂新版 世界大百科事典 「朱紈」の意味・わかりやすい解説

朱紈 (しゅがん)
Zhū Wán
生没年:1492-1549

中国,明の海禁政策を強行した官僚。蘇州長洲県(江蘇省)の人。字は子純。正徳16年(1521)の進士。景州知州をふりだしに諸官を歴任し,1547年(嘉靖26)浙江巡撫に任じられると鋭意倭寇取締りに当たり,海禁の実をあげた。しかし密貿易により重利を得ていた沿海地方の有力者はそれを行過ぎとし,中央の高官画策して彼を弾劾させた。彼はこれに抗議し毒をあおいで憤死した。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「朱紈」の意味・わかりやすい解説

朱紈
しゅがん
Zhu Wan; Chu Wan

[生]弘治5 (1492)
[没]嘉靖28 (1549).3.
中国,明代の政治家。長洲(江蘇省呉県)の人。字は子純。正徳16(1521)年の進士。景州知州を振り出しに諸官を歴任し,嘉靖26(1547)年浙江巡撫を命じられて倭寇討伐に活躍した。海防施設を増強,出入船舶の監視を厳重にし,沿海住民の保甲(→保甲法)を厳しくして海寇絶滅に大いに功を上げたが,その処置が厳格すぎたので密貿易により利益を得ていた郷紳豪商反感を買い,彼らの画策によって弾劾を受け,それを憤って服毒死した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android