小説家、評論家。愛知県渥美(あつみ)半島の生まれ。東京帝国大学国文科卒業。在学中『アララギ』『未成年』などで活躍。卒業後イタリア語を学んでルネサンス文学研究に没頭。第二次世界大戦後郷里渥美町(現田原(たはら)市)に定住、短歌論、文芸評論を執筆。地方政治に深入りし、その体験に基づく『ノリソダ騒動記』(1953)、『基地六〇五号』(1954)、『台風十三号始末記』(1955)は、斬新(ざんしん)な記録文学として好評を博した。1960年代後半から小説も書き、代表作『小説渡辺崋山(かざん)』(1971)は歴史小説の傑作として毎日出版文化賞を受けた。ほかに『ルネッサンス文学の研究』(1948)、『戦国乱世の文学』(1965)、『維新前夜の文学』(1967)などの著書がある。
[山田博光]
『『杉浦明平記録文学選集』全4巻(1971~72・読売新聞社)』▽『『小説渡辺崋山』全8冊(朝日文庫)』▽『『維新前夜の文学』(1993・岩波書店)』
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… ダンテの作品は,約言すれば,政治と文学との激しい葛藤のなかで生み出された。日本においては,明治時代から《新生》と《神曲》を中心に,かなりの翻訳と紹介が行われてきたが,その傾向を大別すると,第1は上田敏を頂点とする純文学的動機によるもの,第2は内村鑑三,正宗白鳥ら宗教的関心に基づくもの,第3は阿部次郎が築こうとした哲学的・倫理的傾向のもの,そして第4にダンテの文学を政治と文学の葛藤の角度から(とくに第2次世界大戦下の日本の状況と照らし合わせて)とらえようとしたもの(矢内原忠雄,花田清輝,杉浦明平ら)となる。《神曲》の翻訳としては,文章表現と文体に問題は残るが,最も原文に忠実で正確なものとして,山川丙三郎訳を挙げねばならない(1984年現在)。…
※「杉浦明平」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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