李慈銘(読み)りじめい(英語表記)Lǐ Cí míng

改訂新版 世界大百科事典 「李慈銘」の意味・わかりやすい解説

李慈銘 (りじめい)
Lǐ Cí míng
生没年:1829-94

中国,清代末期の学者,文人。字は愛伯。浙江省会稽県の名門の出身。売田買官のあと51歳で進士,日清戦争時には監察官。その《越縵堂日記》は1854年(咸豊4)から94年(光緒20)までの間に,彼が学者として約1000種の書籍の考証批評を,また在郷名士ないしは在京の中級官僚として,文学を通しての交際,さまざまな収入と支出実態太平天国の乱とその後の政治社会の動向などを,綿密に書き綴った記録である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「李慈銘」の意味・わかりやすい解説

李慈銘
りじめい
Li Ci-ming

[生]道光10(1830)
[没]光緒20(1894)
中国,清末の学者,文学者。浙江省会稽の人。字,式侯,き伯。号,蓴客 (じゅんかく) 。光緒6 (1880) 年 51歳で進士に及第。戸部郎中から山西道監察御史に進み,しばしば上書して国事を論じた。日清戦争勃発の際,深く時事を憂い喀血して死んだ。科挙には失敗を重ねたが,博学で知られ,著書も多く,また文壇重鎮として駢文 (べんぶん) ,詩,詞に名が高かった。同治2 (63) 年から光緒 15 (89) 年までの 26年間にわたるその日記『越縵堂日記』は多彩な内容で,当時の文学,思想,社会を知るための貴重な資料となっている。主著『十三経古今文義彙正』『越縵経説』『後漢書補正』『湖塘林館駢体文鈔』など。

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