村上一郎(読み)むらかみいちろう

百科事典マイペディア 「村上一郎」の意味・わかりやすい解説

村上一郎【むらかみいちろう】

評論家,小説家,歌人。東京生れ。東京商科大卒。海軍に入り,終戦時には主計大尉。戦後久保栄に師事し,《日本評論》の編集に携わるが,レッドパージに遭い,以後文筆活動に専念する。文学における思想性,詩精神,〈方法〉の復位を主張し,長編小説東国の人びと》(1959年)で実践。評論集《日本のロゴス》以後,戦後民主主義の虚妄を批判し,ロマン的情念を核とした《明治維新の精神過程》《北一輝論》(1970年)などを書くが,54歳で自刃

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「村上一郎」の解説

村上一郎 むらかみ-いちろう

1920-1975 昭和時代後期の文芸評論家。
大正9年9月24日生まれ。海軍主計大尉で敗戦をむかえ,「日本評論」編集者となる。昭和26年レッドパージにあって文筆生活にはいり,39年個人誌「無名鬼」を創刊。昭和50年3月29日日本刀で自殺した。54歳。東京出身。東京商大(現一橋大)卒。著作に評論「日本のロゴス」「北一輝論」,歌集「撃攘(げきじょう)」など。

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