村田保(読み)むらたたもつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「村田保」の意味・わかりやすい解説

村田保
むらたたもつ

[生]天保13(1842).12.28. 大坂
[没]1925.1.7. 鎌倉
水産事業家。唐津藩士明治政府にあって,左院議官,太政官法制官などを歴任し,新律綱領起草旧刑法治罪法審査,修正に従事した。その後も貴族院議員,法典調査会委員として各種の立法事業に参画した。さらに後年は,ドイツに留学中 R.グナイストに日本の漁業について質問されたことに触発され,大日本水産会に関係し,日本の水産事業発展にも貢献した。

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朝日日本歴史人物事典 「村田保」の解説

村田保

没年:大正14.1.7(1925)
生年:天保13.12.29(1843.1.29)
明治時代の官吏。明治初頭,刑法調査のため英国滞在。明治12(1879)年ドイツの博覧会を見学して水産振興の必要を実感し帰国後,大日本水産会(1882),水産伝習所(1888)の設立,水産講習所設置(1897)に指導的役割を果たした。貴族院議員として漁業法,遠洋漁業奨励法成立尽力。水産翁と呼ばれた。同29年には,全国の塩業関係者を集合し大日本塩業協会を設立,会長を務めた。<参考文献>下啓助『明治大正水産回顧録』,山口利雄編「水産」(『現代日本産業発達史』11巻)

(加瀬和俊)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「村田保」の解説

村田保 むらた-たもつ

1843*-1925 明治-大正時代の官僚,政治家。
天保(てんぽう)13年12月28日生まれ。肥前唐津(からつ)藩(佐賀県)藩士の長男。太政官,内務省につとめ,明治23年貴族院議員。大正3年のシーメンス事件で,山本内閣弾劾の演説をおこない議員を辞職。水産伝習所(東京水産大の前身)の創設などで水産界に貢献し,水産翁と称された。大正14年1月6日死去。84歳。

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