杣人(読み)ソマビト

デジタル大辞泉 「杣人」の意味・読み・例文・類語

そま‐びと【×杣人】

杣木を切ったり運び出したりする人。きこり。そま。
[類語]きこり木挽き

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「杣人」の意味・読み・例文・類語

そま‐びと【杣人】

〘名〙 杣木を切り倒したり運び出したり造材したりすることを職業とする人。きこり。杣師。樵夫(しょうふ)。そまうど。そま。
万葉(8C後)七・一三五五「真木柱つくる蘇麻人(ソマひと)いささめに仮廬(かりほ)のためと造りけめやも」

そま‐うど【杣人】

〘名〙 「そまびと(杣人)」の変化した語。〔頓要集(14C後‐15C前)〕
※清原国賢書写本荘子抄(1530)六「此木は、わるき木なるによて、そまうとに、伐られずして」

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世界大百科事典(旧版)内の杣人の言及

【きこり(木樵∥樵)】より

…日本では,杣(そま)と同義に用いられることがある。杣という語はもともと木を植え付けて材木をとる山そのもの,すなわち杣山(そまやま)を意味したが,後にはそこから採出した用材である杣木(そまぎ),その伐採の杣取(そまどり)・杣立(そまだて)や造材の杣造(そまづくり)から,さらに河川の運材作業の杣下(そまくだし)を含め,それらのことをひろく生業とする杣人(そまびと|そまうど)の称ともなった。とりわけ,杣取・杣立の山林の木を切ること,また,それを職とするものをきこりというが,杣人と樵夫(きこり)が同義語として用いられることもないではない。…

【きこり(木樵∥樵)】より

…日本では,杣(そま)と同義に用いられることがある。杣という語はもともと木を植え付けて材木をとる山そのもの,すなわち杣山(そまやま)を意味したが,後にはそこから採出した用材である杣木(そまぎ),その伐採の杣取(そまどり)・杣立(そまだて)や造材の杣造(そまづくり)から,さらに河川の運材作業の杣下(そまくだし)を含め,それらのことをひろく生業とする杣人(そまびと|そまうど)の称ともなった。とりわけ,杣取・杣立の山林の木を切ること,また,それを職とするものをきこりというが,杣人と樵夫(きこり)が同義語として用いられることもないではない。…

【杣工】より

…平城京,平安京などの都市建設や寺院の造営などのために,恒常的に大量の木材が必要とされていた。そのため山城,大和,丹波,近江,伊賀などの畿内近国の山地には,権門貴族や寺社によって多くのが設定されたが,そこで働く山林労働者が杣工や杣人(そまびと)と呼ばれた。杣工集団には,例えば東大寺領板蠅杣の場合,杣別当,専当,頭領などの組織があった。…

※「杣人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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