東シナ海低気圧(読み)ひがししなかいていきあつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「東シナ海低気圧」の意味・わかりやすい解説

東シナ海低気圧
ひがししなかいていきあつ

東シナ海や台湾近海に発生する温帯低気圧。急速に発達しながら、日本の南海上を通り、南岸の地方を中心に雨や雪を降らせ、さらに北東に進んで北日本暴風雨暴風雪をもたらす。この低気圧が発生するときは、大陸高気圧舌状に日本付近にやや北偏して張り出し、その南西縁辺にあたる東シナ海や台湾近海の等圧線が北方に丸みを帯びてくぼみ、東西方向に伸びる停滞前線が波を打つ形となって温暖前線と寒冷前線になる。冬から春にかけてよく現れる。かつては「台湾坊主」ともよばれた。台湾坊主の名は、発生期の等圧線の形に由来するといわれる。

[倉嶋 厚・青木 孝]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「東シナ海低気圧」の意味・わかりやすい解説

東シナ海低気圧
ひがしシナかいていきあつ

東シナ海で発生し,発達しながら東ないし東北東の方向に進む低気圧。特に冬季や春の初め頃に八丈島付近を通過すると関東平野部で大雪となることがある。この低気圧は日本の東に抜け,急速に発達して北日本に荒れた天気をもたらし,爆弾低気圧と呼ばれることがある。南岸低気圧のうち東シナ海で発生するものも東シナ海低気圧と呼ぶ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android