東京文化会館(読み)とうきょうぶんかかいかん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「東京文化会館」の意味・わかりやすい解説

東京文化会館
とうきょうぶんかかいかん

東京都台東区の上野恩賜公園(→上野)内にある文化施設。1961年竣工。建築家前川國男の代表作の一つ。地下 2階,地上 4階。コンクリート打ち放しの独立柱とそれによって支えられた大ひさしが,垂直性と水平性の対比を生み出すとともに,大ホールや小ホールといった各機能を統合している。大ホールは六角形の平面をもち,音響面で評価が高い。ロビーホワイエの空間は,林立する独立柱,青色天井とライト,落ち葉模様の床タイルなど,あたかも上野の森が連続するように配置されている。また,ホール内部の装飾彫刻造園などのデザインがこの建築の空間をよりいっそう豊かなものにしている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「東京文化会館」の意味・わかりやすい解説

東京文化会館
とうきょうぶんかかいかん

東京都台東(たいとう)区上野公園にあり、音楽文化を中心とする総合施設。東京都の開都五百年祭の記念事業の一つとして1959年(昭和34)起工、61年に「東京音楽祭」をもって開場した。設計前川国男。音楽・オペラ・舞踊などの振興国際交流を図ることを目的とし、内外オーケストラ、オペラ、バレエをはじめ、一流の芸術家の公演が行われている。大ホール(客席数2303、車椅子(いす)14)、小ホール(客席数649、車椅子4)のほか、練習室、公開の音楽資料室などの設備をもつ。会館独自の企画事業として、都民合唱コンクール、都民コンサートなど、音楽を中心とした振興事業に力が注がれている。

[美山良夫]

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事典・日本の観光資源 「東京文化会館」の解説

東京文化会館

(東京都台東区)
公共建築百選指定の観光名所。

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デジタル大辞泉プラス 「東京文化会館」の解説

東京文化会館

東京都台東区にある文化会館。1961年開館。大ホールの座席数は約2300席。

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世界大百科事典(旧版)内の東京文化会館の言及

【近代建築】より

…第4に,前衛的建築家は近代後(ポスト・モダン)を模索し始めるが,近代初期のような連帯感は失われており,それぞれが個別に理想と方法を追求した。戦後60年代までの代表的な建築として,神奈川県立近代美術館(1951,坂倉準三),リーダーズ・ダイジェスト東京支社(1951,レーモンド),香川県庁舎(1958,高松,丹下健三),東京文化会館(1961,前川国男),国立屋内総合競技場(1964,丹下健三),国立京都国際会館(1966,大谷幸夫),霞が関ビル(1968,山下寿郎設計事務所)などが挙げられよう。
[日本的伝統と近代建築]
 ヨーロッパにおける近代建築は,19世紀までの伝統の継承の上に展開したのではなく,むしろそれからの意識的な断絶を標榜しつつ成立した。…

※「東京文化会館」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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