東京朝日新聞(読み)とうきょうあさひしんぶん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「東京朝日新聞」の意味・わかりやすい解説

東京朝日新聞
とうきょうあさひしんぶん

1888年から 1940年まで東京で発行された『朝日新聞』。 1879年大阪で『朝日新聞』を創刊した村山龍平は,88年星亨の『めざまし新聞』を買収して東京進出を果し,7月 10日から『東京朝日新聞』と改題して発行。その創刊号に明治天皇の木版肖像を付録にするなどの大阪商法で発行部数が急増し,17社連合をつくって対抗した在京新聞社に多大の打撃を与えた。 90年にはフランスからマリノニ式輪転印刷機を輸入して高速印刷の先鞭をつけ,1907年4月夏目漱石を入社させて漱石自身とその一門の小説の連載で知識階級の新聞という声価を高めていった。 13年には『万朝報』とともに,桂内閣打倒の憲政擁護運動の先頭に立った。 23年の関東大震災で東京系の新聞が軒並み後退したのちは,下村宏緒方竹虎,美土路昌一,石井光次郎ら幹部のもとで発展を続けた。 36年の二・二六事件のときには編集局が襲撃された。満州事変以後は,軍事報道を他紙と競い合って読者を獲得した。 40年9月1日『大阪朝日新聞』と題字を統一し,『朝日新聞』になった。

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デジタル大辞泉プラス 「東京朝日新聞」の解説

東京朝日新聞

日本の新聞のひとつ。大阪で「朝日新聞」を創始した村山龍平が、自由党機関紙から出発した「灯(ともしび)新聞」を買収、紙面を刷新して改題し、1888年7月より発行開始。1940年、「大阪朝日新聞」と題号を統一、全国紙「朝日新聞」となる。

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