東京都養育院(読み)とうきょうとよういくいん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「東京都養育院」の意味・わかりやすい解説

東京都養育院
とうきょうとよういくいん

東京都営の総合的社会事業施設。明治5 (1872) 年に明治新政府が維新混乱による困窮者救済のため営繕会議所の付属機関として養育院掛を設け,老幼 240人を収容したのが始りで,日本で最も古い社会事業施設の1つ。その後経営は東京府営 (76) ,東京市営 (90) ,東京都営 (1943) と変り,事業内容も行路病者迷子,捨て子,刑期中の病者などさまざまな種類の対象者の一括収容から,次第に施設の専門化が行われるにいたった。初代院長は渋沢栄一で,明治・大正期を通じ一貫して施設の基礎づくりに大きな役割を果した。 1952年知事直轄の一級事業所として局と同格昇格。現在では東京,板橋本院をおき,養護老人ホーム,軽費老人ホーム,特別養護老人ホーム,知的障害者援護施設,知的障害児施設などを管理運営するほか,高等看護学院,付属病院 (老人専門病院) ,東京都老人総合研究所などを擁する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android