東吉野(読み)ひがしよしの

改訂新版 世界大百科事典 「東吉野」の意味・わかりやすい解説

東吉野[村] (ひがしよしの)

奈良県中東部,吉野郡の村。人口2143(2010)。東は高見山などの台高山脈の山々によって三重県と接し,中央部を走る中央構造線沿いに吉野川の支流高見川が西流する。標高200~700mにかけて集落が点在するが,耕地はほとんどなく,杉,ヒノキの人工美林地帯が広がる。林業基幹産業で,特にみがき丸太の生産が盛ん。就業人口の1/5は林業に従事するが,近年,若年労働者が流出し労働力不足が深刻である。中心集落は小川で,かつて鷲家口(わしかぐち)とよばれ,近世には伊勢街道の要地であり,天誅組最後の決戦場としても知られる。小(おむら)に丹生川上(にゆうかわかみ)神社中社があり,境内のツルマンリョウ自生地は天然記念物に指定されている。村域の一部は室生赤目青山国定公園に含まれ,高見山一帯の霧氷や高見川の渓谷美は有名。国道166号線が通じる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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