東国文献備考(読み)とうごくぶんけんびこう

改訂新版 世界大百科事典 「東国文献備考」の意味・わかりやすい解説

東国文献備考 (とうごくぶんけんびこう)

朝鮮,李朝後期の政書の一つ。100巻,40冊。1770年(英祖46)洪鳳漢等が英祖の命を受け,元の馬端臨撰《文献通考》にならい古今の文物制度のすべてについて,その沿革をのべ分類して13考とし,編纂して政務の参考とした。その後数度にわたり増訂改編されたが刊行されなかった。1903年(光武7)朴大容等が高宗の命により3度増修を行い改編して16考250巻とし,《増補文献備考》と名付け,08年に刊行,板本と鉛活字印本の2種がある。朝鮮における事物の研究には最も参考となる書である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「東国文献備考」の意味・わかりやすい解説

東国文献備考
とうごくぶんけんびこう
Tongguk-munhǒn-pigo

朝鮮,朝鮮王朝 (李朝) 時代に成立した制度,文物を分類整理した類書。英祖 46 (1770) 年に洪鳳漢,金致仁らにより撰述。 100巻。中国の『文献通考』を範として朝鮮の在来文献を 13目に分類する作業が行われた。さらに隆煕2 (1908) 年,朴容大に命じて 16目に改め,『増補文献備考』 (250巻) として刊行された。 16の目とは次のようなものである。象緯 (しょうい) ,輿地 (よち) ,帝系,礼,樂,兵,刑,田賦,財用,戸口,市糴 (してき) ,交聘 (こうへい) ,選挙,学校,職官,芸文 (げいもん) 。

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