東欧安保体制(読み)とうおうあんぽたいせい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「東欧安保体制」の意味・わかりやすい解説

東欧安保体制
とうおうあんぽたいせい

冷戦終結後の東ヨーロッパにおける集団安全保障問題。 1991年7月のワルシャワ条約機構解体以後,安全保障の真空地帯状態を懸念する東ヨーロッパでは,ビシェグラード・グループ4ヵ国やバルト3国 (93年 11月に 650人のバルト大隊の創設合意) が軍事面でも相互協力を強化しているが,ロシアの潜在的な脅威に対抗できる力を欠く。各国は北大西洋条約機構 NATO加盟を求めているが,孤立化を恐れるロシアが反対している。 NATOは 94年1月の首脳会議で,これら諸国と「平和のための協力協定」を個別に結ぶことを決め,演習,情報交換などを通じて将来の共同行動にそなえ,安全保障上の脅威を感じた場合,NATOと緊急協議できることになった。ロシア軍は少数要員を除き 93年にリトアニアポーランド,94年にドイツ,エストニアラトビアから撤退,東ヨーロッパ,バルト3国から姿を消した。

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