東海銀行(読み)とうかいぎんこう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「東海銀行」の意味・わかりやすい解説

東海銀行
とうかいぎんこう

都市銀行の旧名称。現、三菱(みつびし)UFJ銀行。名古屋に本店を置く東海地方唯一の都市銀行であった。1941年(昭和16)愛知、伊藤、名古屋の3銀行の合併によって設立。国内店舗数266店のうち愛知県下144店(2000年2月当時)にみられるように、中京経済圏に強固な地盤をもっていた。企業取引先も、トヨタ自動車関連企業を中心に、中京地区の繊維、工作機械、窯業などが多く、都市銀行のなかでは地域経済との密着が強いという特徴があった。その後、首都圏へも積極的に進出し、また国際業務にも力を入れ、海外支店16店(2000年2月当時)を中心に海外拠点網づくりや協調融資団への参加も実施した。2000年(平成12)3月、あさひ銀行三和銀行との3行による事業統合の方針を発表したが、その後の意見の対立から6月、あさひ銀行が離脱。同年7月には東海三和東洋信託銀行(現、三菱UFJ信託銀行)の3行は共同持株会社のもと、2002年4月をめどに合併・統合する方針を発表した。2001年4月持株会社UFJホールディングス設立。2002年1月、三和銀行と合併し、UFJ銀行となった。2005年10月にはUFJホールディングスと三菱東京フィナンシャル・グループとの合併により、三菱UFJフィナンシャル・グループが誕生。UFJ銀行は2006年1月東京三菱銀行と合併して三菱東京UFJ銀行(2018年4月三菱UFJ銀行改称)となった。2001年9月当時の資本金7231億3800万円、預金残高18兆3744億円、貸出残高17兆2434億円であった。

[外山茂樹 2018年8月21日]

『東海銀行行史編纂委員会編『東海銀行史』(1961・東海銀行)』『東海銀行行史編集委員会編『東海銀行史 続』(1982・東海銀行)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「東海銀行」の意味・わかりやすい解説

東海銀行
とうかいぎんこう

UFJ銀行前身。 1941年愛知銀行,名古屋銀行,伊藤銀行の合併によって設立。 45年中央信託の営業を譲り受けて信託業務を併営,同時に岡崎稲沢大野の各銀行を合併。 62年信託業務を分離して,第一信託銀行の信託業務と日本証券代行の証券業務を加え中央信託銀行設立。営業地盤である東海地方は紡績関係と重化学工業関係の発展地域であったため,第2次世界大戦後も成長を続け,多方面にわたる新種預金を開発,また融資制度を開設し関係会社も設立した。 91年三和信用金庫 (東京) を合併。 97年破綻した大阪信用組合の事業を引継いだ。 2001年三和銀行東洋信託銀行とともに共同持株会社 UFJホールディングスを設立,02年三和銀行と合併し UFJ銀行となった。

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