東盟(読み)とうめい

改訂新版 世界大百科事典 「東盟」の意味・わかりやすい解説

東盟 (とうめい)

朝鮮高句麗の部族的祭典名称。東明とも記す。《三国志魏志東夷伝の高句麗の条に〈十月を以て天を祭る。国中大会,名を東盟と曰う〉とあり,収穫時の祭天の儀礼を東盟とよんだらしい。夫余迎鼓,東濊(とうわい)の舞天なども同じく収穫後に歌舞飲食を楽しんだものという。また別に高句麗の伝説上の始祖の東明王を東明とよぶ場合もある。すなわち河伯の女が日光に感じて生んだ朱蒙のことである。《三国志》魏志夫余伝の終末に引用されている東明伝承も同系であろう。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「東盟」の意味・わかりやすい解説

東盟
とうめい
Tongmaeng

東明とも書く。朝鮮,高句麗で毎年 10月に行われた祭天儀式。『三国志』魏志高句麗伝には「王都の東方隧穴と名づける大穴があって,10月に国中大会を開き隧穴神を迎えて王都の東の水辺に祭り,木隧を神座に奉る」とある。隧穴神とは朱蒙 (→東明王 ) の母のことで,民族的な信仰の対象であった。木隧の意味は不明。この儀式は扶余族の迎鼓,濊族の舞天,韓族の農耕祭と類似しており,高麗朝にまで継承され,八関会行事と習合して行われた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android