松尾峠(読み)まつおとうげ

日本歴史地名大系 「松尾峠」の解説

松尾峠
まつおとうげ

弥陀みだヶ原の追分から南方立山温泉(現大山町)へ下るとき高原南端の台地を乗越す地点標高一九二〇メートル。峠から下を松尾坂という。古くから利用され、伝説では戦国時代佐々成政もこの道を通ったという。江戸時代、信州から立山へ忍び参りする場合には、はり峠・佐良ざら峠を経て立山温泉から松尾峠を越え、弥陀ヶ原に出て登頂し、同じ道から帰ったといわれ、安永天明(一七七二―八九)頃の「笈埃随筆」にもそのことが記されている。江戸時代末期、加賀藩はこの道の使用を禁止したことがあった。明治になると利用は活発となり、明治一一年(一八七八)アーネスト・サトウ、同二六年ウェストンが立山を訪れた時も松尾峠を越えている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「松尾峠」の意味・わかりやすい解説

松尾峠
まつおとうげ

愛媛県南西部,宇和島市南部の宿毛街道にある峠。標高約 200m。国道 56号線は全長 464mのトンネルで峠の下を通っていたが,カーブを少なくし,距離を短縮するため,全長 1710mの松尾トンネルが 1979年に開通した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「松尾峠」の意味・わかりやすい解説

松尾峠
まつおとうげ

富山県東部、立山連峰(たてやまれんぽう)の西側にあり、標高1971メートル。弥陀ヶ原(みだがはら)の追分平(おいわけだいら)から立山温泉へ下る登山道にある峠で展望に優れているが、立山へのバス道路の完成で立山温泉はさびれ、この峠を通る者はほとんどいない。

[深井三郎]

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