松尾捨治郎(読み)まつおすてじろう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「松尾捨治郎」の意味・わかりやすい解説

松尾捨治郎
まつおすてじろう
(1875―1948)

国語学者。茨城県生まれ。国学院大学卒業後、旧制中学校教諭、校長などを経て国学院大学教授。著書に『国文法論纂(ろんさん)』(1927)、『国語法論攷(ろんこう)』(1936)、『助動詞研究』(1943)、『国語論纂』(1943)などがある。助詞・助動詞の研究、とくに終止形につく「なり」が伝聞推定を表すとする説や、敬語主語・客語に対する成分敬語と聞き手に対する非成分敬語とに分ける説などで注目された。また、江戸後期の国語学者東条義門(とうじょうぎもん)に関する研究でも知られる。

[清水康行 2018年10月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「松尾捨治郎」の解説

松尾捨治郎 まつお-すてじろう

1875-1948 明治-昭和時代の国語学者。
明治8年生まれ。中学教師,校長をへて,昭和5年国学院大教授。助詞,助動詞,敬語について研究。国語学者東条義門(ぎもん)の研究でも知られる。昭和23年6月20日死去。74歳。茨城県出身。国学院卒。著作に「国文法論纂(ろんさん)」「助動詞の研究」。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android