松本幸四郎(5世)(読み)まつもとこうしろう[ごせい]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「松本幸四郎(5世)」の意味・わかりやすい解説

松本幸四郎(5世)
まつもとこうしろう[ごせい]

[生]明和1(1764)
[没]天保9(1838)
歌舞伎俳優。屋号高麗屋。4世松本幸四郎の子で,38歳で襲名俳名は錦升,錦江。俗に「鼻高幸四郎」と呼ばれた。実悪名声を高めた化政期の名優芸風は写実的で,のちの生世話物源流といわれる。なお5世の子が弘化1 (1844) 年に6世を襲名したが,嘉永2 (49) 年早逝。

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世界大百科事典(旧版)内の松本幸四郎(5世)の言及

【歌舞伎】より

…それは演技・演出の写実的傾向である。中村仲蔵,4世市川団蔵,5世松本幸四郎らによって,動作・風俗に〈正写し(しよううつし)〉すなわち写生的な物真似の芸を尊ぶ風が流行し始め,次の文化・文政期に〈生世話(きぜわ)〉の演技様式として展開を示す基になった。江戸の文化全般が,〈天明調〉からしだいに移り変わろうとしていた。…

※「松本幸四郎(5世)」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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