松根図書(読み)まつね・ずしょ

朝日日本歴史人物事典 「松根図書」の解説

松根図書

没年:明治27.3.4(1894)
生年:文政3.12.7(1821.1.10)
幕末宇和島藩(愛媛県)家老。号は三楽。嘉永4(1851)年家督を継ぎ,安政2(1855)年家老に就任した。藩主伊達宗城(第8代),宗徳(第9代)の2代にわたって仕えた。主に財政,民政を担当し,用水路の修築や河川の改修を行ったほか,海産物・紙・茶・蝋などの生産・専売を図り,藩内商人を長崎貿易に従事させ,それらの産物を取り扱わせた。さらに,逃亡中の高野長英,村田蔵六(大村益次郎)らを招き,西洋兵学の教授や洋式砲台の建設を行わせた。英国公使パークスの来藩をも画策し実現させている。松根家は代々生首を家の旗印とした。図書の孫には俳人松根東洋城がいる。<参考文献>『愛媛県史 近世下』

(長井純市)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「松根図書」の解説

松根図書 まつね-ずしょ

1821*-1894 幕末の武士
文政3年12月7日生まれ。伊予(いよ)(愛媛県)宇和島藩家老。藩主伊達宗城(むねなり)・宗徳(むねえ)につかえ,産業の振興,専売制の強化をはかる。大村益次郎をまねいて蘭学,洋式兵学を採用した。明治27年3月4日死去。75歳。号は三楽。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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