松阪春栄(読み)まつざかはるえ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「松阪春栄」の意味・わかりやすい解説

松阪春栄
まつざかはるえ

[生]安政1 (1854). 京都
[没]1920.4.2. 京都
明治・大正期に活躍した地歌箏曲家。八重崎検校門下の 2世松崎検校(1824~71)の弟子尾張吉沢検校による新組歌形式の古今組『春の曲』『夏の曲』『秋の曲』『冬の曲』に手事替手を加えて華やかにし,流行させたことで知られる。吉沢検校の高弟小松検校から手事を入れて弾くのをやめるよう申し出があったが,すでに手事物として広まりつつあった。また高野茂作曲大内山』の手事を補作したり,西山徳茂一作曲『秋の言の葉』にも替手の作曲を行なった。みずからの作品としては『楓の花』『春の栄』『墨絵の芦』などがある。京都下派に属し,門下に津田青寛がいる。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「松阪春栄」の解説

松阪春栄 まつざか-はるえ

1854-1920 明治-大正時代の地歌・箏曲(そうきょく)家。
安政元年生まれ。京都の2代松崎検校(けんぎょう)の門人。明治28年ごろ,2代吉沢検校の古今組のうち「春の曲」以下四季4曲に手事(てごと)および替手(かえで)を補作し流行させた。また「楓の花」などを作曲した。門下に津田青寛。大正9年4月2日死去。67歳。京都出身。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の松阪春栄の言及

【春の曲】より

吉沢検校作曲の古今組。手事および替手は松阪春栄(まつさかはるえ)(1854‐1920)が補作。吉沢が組歌を復活させるため新しい箏組歌をめざして作曲。…

※「松阪春栄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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