板目紙(読み)イタメガミ

デジタル大辞泉 「板目紙」の意味・読み・例文・類語

いため‐がみ【板目紙】

和紙を何枚も貼り合わせて、厚く硬くしたもの。和本表紙はかま腰板などに用いる。いため。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「板目紙」の意味・読み・例文・類語

いため‐がみ【板目紙】

〘名〙 和紙の一種美濃紙半紙を一〇~一五枚ものりで張り重ねて、板のように堅く厚くしたもの。書物の表紙、男袴の腰板などに用いた。板紙厚紙。いため。
※雑俳・柳多留‐八五(1825)「徳に入門の戸びらも板目紙」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「板目紙」の意味・わかりやすい解説

板目紙
いためがみ

和紙を何枚も糊(のり)で貼(は)り重ねた厚紙。板の木目を思わせるので板目紙の字をあてているが、一説には撓(いた)め皮(膠(にかわ)を薄めた水に浸して、槌(つち)でたたいて固めた皮)のように、打ち固める意味を表すともいわれる。江戸時代には、商店の帳簿や書籍の表紙などによく用いられた。江戸中期の川柳(せんりゅう)集『柳樽(やなぎだる)』に、「徳に入る門の扉も板目紙」とあるのは、当時徳に入る門というのが大学のことを意味したので、扉と板とをかけて、『大学』(儒教経典の一つ)の表紙がこの紙で仕立てられたことを示している。

[町田誠之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android